革の種類について

こんにちは。前回は本革と合皮の違いについて説明しましたが、今回は革について、どんな種類があるのか解説していきます。

目次
1.革にはたくさんの種類がある
2.革の種類(動物編)
3.革の種類(なめし編)
4.革の種類(仕上げ編)
5.epeの本革について
6.まとめ

 

1.革にはたくさんの種類がある

一言で革と言っても、非常に多くの種類・区別があります。今回は、「動物の種類」「なめしの方法」「仕上げの方法」の3つのカテゴリに分けて、革の種類について説明していきます。

 

2.革の種類(動物編)
【牛革】

最もポピュラーで、市場に多く流通しているのが牛革です。美しい仕上がりと強度を兼ね備えており、人気の高い革になります。
また、牛革は、年齢や雌雄によって「カーフ(生後半年程度)」「キップ(生後半年〜2年)」「カウハイド(出産経験を持つメス牛)」「ステアハイド(食用のために去勢されたオス牛)」など、さらに細かく分類されます。

 

【馬革】

牛革に比べると強度はやや劣りますが、柔らかさとしなやかさを兼ね備えているのが馬革です。
同じ馬革でも、お尻から採れるコードバンは、「革のダイヤモンド」とも言われる高級素材で、ランドセルや財布などに使われます。革質はしなやかで、かつ非常にきめが細かいため、磨き込むと美しく高貴な印象になります。

 

【豚革】

豚革は、消費量が多いため、唯一国内共有ができ、海外にも輸出されています。革質は非常に柔らかく、毛穴が大きいため通気性が良いのが特徴です。摩擦にも強いため、バッグや財布の内側の生地として使用されることも多いです。欧米でも評価の高い革素材で、高級ブランドバッグのメイン素材にも採用されています。

 

【水牛革(バッファロー)】

水牛革(バッファロー)は、表面上のシボが特徴の革で、比較的お手頃な値段で購入できます。野生・放牧の個体が多いため、牛本来の持つキズが多く出てしまいますが、これも1つの味になります。耐水性もあるため、ジャケットなどにも使われています。

 

【ヤギ革(ゴートスキン)】

ヤギ革(ゴートスキン)は、耐久性があり、キズや水気に強いのが特徴です。耐摩耗性・弾力性に優れ、見た目の印象よりも強靭な革質を誇ります。表面に独特なシボ模様もあり、光沢仕上げなどにより高級な印象に仕上がります。バッグだけでなく、ウエアやグローブなどにも使われます。

 

 

3.革の種類(なめし編)

「なめし(鞣し)」とは、動物の皮を革製品に使えるように加工する作業のことです。
動物の皮は、そのまま使用するとすぐに腐敗したり、硬くなってしまったりします。このため、植物の樹液や化学薬品を使って、皮を柔らかくし、長く使えるように加工します。
鞣していない状態を「皮」、鞣したものを「革」と呼び区別しています。

 

【植物タンニンなめし】

植物の樹皮などから抽出したタンニン(渋)を使用してなめしを行う方法です。このなめしの方法で作られた革が「ベジタブルタンニンレザー」です。植物タンニンレザー、タンニンレザーとも呼ばれます。30以上の工程を経て完成されるため、時間とコストがかかりますが、化学薬品を使用しないので、環境に優しいものになります。
また、エイジング(経年変化)が楽しめるのもタンニンなめしの特徴です。エイジングとは、製品を使用するにつれてレザー自体の雰囲気が変化することです。タンニンが紫外線に当たったり、空気中の酸素に触れることで酸化したりするため、徐々に色味や艶が出てきます。

 

【クロムなめし】

塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品を使用してなめしを行う方法です。このなめしの方法で作られた革は「クロムレザー」と呼ばれます。
世の中に流通している革製品の約8割以上がクロムなめしの製品だと言われています。時間と手間がかからないので、大量生産が可能ですが、クロムの排水により、河川を汚染していることが問題にもなっています。

 

 

4.革の種類(仕上げ編)
【オイルレザー】

オイルレザーは、革の加工途中に多くのオイルを含ませる仕上げのことです。たくさんのオイルを含ませることにより、革がしっとりとし、味わい深い風合いが出ます。

 

【型押しレザー】

革を高圧プレスすることで、表面に凹凸を付ける加工のことです。蛇やワニなどの爬虫類柄に似せて仕上げるものと、シワやシボなどの細かな模様を刻み付けるものが一般的です。また、細かなパターンの型押しをすることで、本来革にあったキズを隠し、さらに新しいキズが付きにくくなるといった特徴もあります。

 

【シュリンクレザー】

特殊な薬品を使用し、人工的に革の表面を収縮させ、シボが寄るように加工したもののことです。革の表面を収縮させることで、柔らかくキズが目立ちにくい仕上がりとなります。
また、部位によってシワの大きさや深さなどが変化するため、独特の豊かな表情を楽しむこともできます。

 

【スムースレザー】

革の表面を滑らかにならしたもののことです。スムースは、英語で「smooth」と書き、「なめらかな、すべすべした」という意味があります。表面に凸凹や起毛がなく、フラットでなめらかな触り心地が特徴です。

 

【ヌメ革】

革をタンニンでなめすだけで、その後の着色や表面加工などの仕上げを行わない革のことです。現在では、染色を施されたものも合わせて広くヌメ革と呼ばれています。ナチュラルな風合いで、最も革らしい革と言えます。長く使うほどに経年変化(エイジング)が楽しめるのも特徴です。

 

 

5.epeの本革について

epeのバッグは、植物タンニンなめしの牛革を採用しています。化学薬品を使用せず自然由来の植物性タンニンを使うことで、有害物質が発生することのない、環境に配慮した本革になります。
この植物タンニンなめしのレザーは、環境に優しいだけでなく、一般的なクロムなめしよりも経年変化が出やすく、長く使っていただくことで世界に1つだけのバッグを育てることができます。

 

 

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?革の種類・特徴を理解することで、レザー製品を選ぶ楽しみが増えると思います。今後のお買い物の参考にしていただければ嬉しいです。