ベジタブルタンニンレザーとは？

こんにちは。epe代表の三幣（サンペイ）です。
今回はepeのバッグでも使用している「ベジタブルタンニンレザー」について分かりやすく説明していきます。


目次
1.革の「なめし（鞣し）」について
2.ベジタブルタンニンレザーって何？
3.ベジタブルタンニンなめしとクロムなめし、どちらが良いの？
4.こんな方にオススメ
5.epeのバッグの場合
6.まとめ

1.革の「なめし（鞣し）」について

ベジタブルタンニンレザーを説明する前に、革製品の「なめし」について説明します。
「なめし（鞣し）」とは、動物の皮を革製品に使えるように加工する作業のことです。
動物の皮は、そのまま使用するとすぐに腐敗したり、硬くなってしまいます。このため、植物の樹液や化学薬品を使って、皮を柔らかくし、長く使えるように加工します。
鞣していない状態を「皮｣、鞣したものを「革」と呼び区別しています。

2.ベジタブルタンニンレザーって何？

先程説明した革のなめしの方法は大きく２つに分かれます。
・ベジタブルタンニンなめし
植物の樹皮などから抽出したタンニン（渋）を使用してなめしを行う方法です。このなめしの方法で作られた革が「ベジタブルタンニンレザー」です。植物タンニンレザー、タンニンレザーとも呼ばれます。
ベジタブルタンニンなめしは、紀元前から続く最も古い製法です。30以上の工程を経て完成されるため、時間とコストがかかりますが、化学薬品を使用しないので、環境に優しいものになります。
また、エイジング（経年変化）が楽しめるのもタンニンなめしの特徴です。エイジングとは、製品を使用するにつれてレザー自体の雰囲気が変化することです。タンニンが紫外線に当たったり、空気中の酸素に触れることで酸化したりするため、徐々に色味や艶が出てきます。

・クロムなめし
塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品を使用してなめしを行う方法です。このなめしの方法で作られた革は「クロムレザー」と呼ばれます。
クロムなめしは、100年ほど前にドイツで開発されたものであり、ベジタブルタンニンなめしに比べて歴史は浅いものの、世の中に流通している革製品の8割以上がクロムなめしの製品だと言われています。時間と手間がかからないので、大量生産が可能ですが、クロムの排水により、河川を汚染していることが世界的な問題にもなっています。
また、クロムなめしは、タンニンなめしと比べて経年変化があまりありません。このため、メンテナンスの手間が少なくて済みます。

なお、タンニンなめしとクロムなめしを掛け合わせた「コンビなめし（混合なめし）」という方法もあります。


3.ベジタブルタンニンなめしとクロムなめし、どちらが良いの？
ベジタブルタンニンなめしとクロムなめしは、それぞれの特徴（メリット・デメリット）があるため、どちらが良いというものではありません。両方の特性を理解し、自分にあったレザーを選びましょう。
なお、現在流通しているレザーの多くはクロムなめしで作られていますが、近年のSDGsやサスティナブルの考え方から、環境に優しいベジタブルタンニンなめしの注目が今後高まってくるのではないかと思われます。

4.こんな方にオススメ

ベジタブルタンニンレザーはこんな方にオススメです。
・環境に優しい製品を選びたい
→ ベジタブルタンニンレザーは、化学薬品を使わないため、環境に良いレザーに仕上がります。土に還るレザーとも言われており、サスティナブルな製品を探している方にはぴったりのレザーです。

・革のエイジングを楽しみたい
→ バッグを長く使用することにより、徐々に色味や艶が出てくるため、経年変化（エイジング）が楽しめ、魅力が増していきます。一定のメンテナンスは必要になりますが、オンリー1のレザーをご自身で育てることができます。

・革本来の風合いを楽しみたい
→ ベジタブルタンニンレザーは、自然な風合いを残すため、動物が本来持つキズやシワなどを隠さずそのまま使用します。”革らしい革”を求めている方にはぴったりです。

5.epeのバッグの場合

epeのバッグは、ベジタブルタンニンレザーを採用しています。製造工程が多く時間のかかるベジタブルタンニンなめしのバッグは、クロムなめしより２倍以上の価格になることも珍しくありません。
このため、epeではベジタブルタンニンなめしの技術を持つ工場と直接契約をしています。さらに、ECサイトによりダイレクトに販売することで、高額になりがちなベジタブルタンニンレザーのバッグをお手頃な価格でお届けすることを実現しました。


6.まとめ

いかがでしたでしょうか？ベジタブルタンニンレザーは、環境にも優しく、長く使っていただくことでエイジングを楽しみ、世界に1つだけのバッグを育てることができます。これを機会に、ベジタブルタンニンレザーについて少しでも興味を深めてもらえれば嬉しいです。